思い出交差点、一杯のコーヒー
喫するのは、場所の持つ記憶に包まれた優しい時間
大阪城を一望できる場所に構えているCheers。大川沿いにあるため春には桜を、秋には紅葉を眺めながら美味しいお酒や健康的なご飯を楽しむことができます。大阪ビジネスパークを繋ぐ橋の上から、あそこは何だろう?と気になっていた人も少なくないはず。そんなお店には最高に人生をEnjoyしている女性オーナーがいます。旅行会社の添乗員として日本全国を回ったあと、世界に興味を持ち、半年間カナダに留学。日本から離れたことで、改めて感じた日本の魅力と、新たに感じた海外の魅力。カナダでスローライフをしていた友人の影響で、レンタルスペースを作りたいと思い、帰国後日々仕事をしてお金を貯めていた。そしてたまたまここに物件が有り、お店を開くことを決意。レンタルスペースだけでは限られた人のニーズしか答えられなかったので、生きることの基本となる食べる・飲むを取り入れようと飲食業の資格も取得し、今のお店になった。インスピレーションの塊。そして数々の魂があふれたこのお店。それは提供されるお料理からもたっぷりと伝わってきます。
カウンター
乾杯だけでなく、応援や元気といった意味のCheersはオーナーが大切とする言葉。お客さんと最高の乾杯をしたいとお店の名前に抜擢した。栄養士でもある店長が考えた料理は、おもに産地から直送されたモノにヌカや甘酒をお砂糖などの代わりに使った純自然食。特にお米のこだわりが凄く、自家製の甘酒はオーナーの知り合いのAgri farmから直送された奈良県産のモノだけを材料に使用。その甘酒で作った新作の甘酒アイスは店長の人柄のような素朴な味。発酵食品を多く使い健康に良いものを、と来客してくる人達への気配りは、「日本人の味覚に合うもので、自分でも作れて手軽に食べてもらえるもの。」と、ホッコリとお話しする店長の温かさのせいかもしれません。
上:玄米粉おやき・たたききゅうりと蒸し鶏の甘酢あえ
下:甘酒アイス・グラノーラ
ここにくれば元気になれる。Cheersに行くと頑張ろうって気持ちになれる。その理由はわかりません。それはオーナーの明るい性格なのか、店長がやわらかい空気で包み込んでくれるからなのか、お店の雰囲気がそうなっているからか、健康食を食べるからそうなるのか、一望できる大阪城から何か発信されているのかはわからないですが、とりあえず「なんか」元気になれます。なんとなくじゃなくおもいっきり元気になれます。ベランダに出ると風がとっても気持ち良くて、育てているハーブ達が生き生きとしているのが見えます。朝7時から17時まで、完全セルフサービスの「SELF CAFE」では、仕事前にたっぷりと朝日を感じれるこのロケーションならではの希少で贅沢な時間です。
ハーブ
上:大川側カウンター 下:窓からの眺望
取材・文・写真/川端 彩華