書道=習字ではなく、もっと可能性のあるもの。
字に魂を込めて、作品にする楽しさ・難しさ。

  • 2015.12.18
田面遥華

書道の概念をくつがえすべく
書家としての活動をスタート。

書道の講師を仕事にする傍ら、書家としての活動にも精進しています。書道=敷居の高いものと思われがちですが、実は写真や絵、音楽同様にさまざまな表現ができる分野。その可能性を探るべく、アーティスト活動を初めて約8 年が経過しました。書道は一筆書きのシンプルなスタイル。そこに偶然性、今までの経験、そのときの感情性がうまくコラボレートし、ひとつの作品が完成します。たとえ同じ人が同じ文字を書いても、力加減によってタッチは変わりますし、コンディションの悪いときは墨の色に濁りが生じます。このように今の自分が敏感に出るのが書道。だからこそ、色数が少なくとも、さまざまな表情に仕上がるんです。また、墨を構成する原材料や寝かす時間によって、さまざまな色の表現が叶います。たとえば「夕焼け」を表現するときに「赤」という言葉を使うと直接的ですが、赤みがかった黒を使って表現すれば、見る人の想像力を掻き立てることができます。こちらの仕掛け次第で、相手の想像性をくすぐる…。これが書道のおもしろさです。

翡翠の影

作品「翡翠の影」

文字を読むのではなく
作品を感じとってほしい。

私は作品を見てもらうときに、解釈を相手と共有するスタンスでいます。それは、白黒の文字というシンプルな表現ゆえに、受け手によってさまざまな解釈で会話が生まれるからです。以前から、表現の幅を広げるために、書道作品だけでなく、アートにも触れるようにしています。たとえば私の作品にマッチしたのが、ギターの音。ギターを演奏するとき、強く弾いたり、弱く弾いたり、またはいくつかの音を同時に鳴らしたりしますよね。それをうまく生かすには、筆2、3 本をお箸のように持って、ひとつの文字を様々な線で書くことで表現しました。この方法と淡墨のにじみを生かした作品が「翡翠の影」ということば。翡翠のミドリ、川のキラキラ感、翡翠がうつる影を表現した作品です。川の流れは、ゆるやかだったりハードだったり、川幅が細かったり太かったりと、蛇行を繰り返しています。これを表現するために、筆3 本を使ってさまざまな線を描きました。ことばを考えるときは、春夏秋冬の情景がカギになります。日本人でよかったと思える瞬間です。

田面遥華2本の筆を使用

筆 2 本を使用して様々な線を表現

他アーティストとのコラボで
気づいた書道の新しい可能性。

つい先日、ダンスと音楽と書がコラボレートしたイベントを開催しました。そのとき私が挑戦したのは、ダンサーの方がまとう衣装に色・線を描くというもの。立ち止まっているときと踊っているとき、衣装がなびいたときと巻きついたとき…など、ダンサーの動きによって見え方が変わるのがこの作品の狙いでした。事前練習をするとイメージが固まってしまうため、私が筆を持ったのはリハーサルと本番の二回のみ。この緊張感も、作品をレベルアップする材料になりました。結果は見事成功! このように、ほかのアーティストの方とコラボレートすることで、書道の新たな可能性に巡り会えた気がします。これから挑戦したいのは映像。音楽で例えるならCD とライブのような関係性になりますが、CD が今までの作品だとしたら、そこにライブ=パフォーマンスを加えて、たくさんの方に発信できたらと考えています。

2本の筆を使用コスモスが揺れている

作品「秋櫻が揺れている」

田面遥華

 

 
田面遥華

たづら ようか
田面 遥華

  • 伝統的な書に新しい感性を吹き込み、書道の枠を越えた表現を行う。書道の教員としてのほか、ワークショップでは書家としても活動。毎日書道会会員・浪速書道会理事、個人活動では「輪音プロジェクト」の理事を務める。テレビ番組にも出演するなど、活動の幅も広がるばかり。
2000年
書道教室を開設
2005年
アーティスト活動をスタート
2007年
ワオンプロジェクトのメンバーと出会う
2011年
筆2.3 本を巧みに操り、さまざまな線をミックスした作品を得意とする
WebSite
https://youkasho.exblog.jp/
facebook

取材・文/櫻井 千佳、写真/山下 拓也



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