ジュース屋さんは朝が早い
きったり、むいたり、しぼったり
『○△□』。まるさんかくしかく。いろいろ考えても、なんのお店なのか、これはお店なんだろうか。スタイリッシュな顔をした壁の奥に見えたのは色とりどりなタルト。その近くには、お店と同じ色をしたスタイリッシュなグレーの箱が置いてある。三角のかたちをした箱はタルト1つ用かな。あの大きくみえるのはこの三角のをいくつか並べてホールケーキみたいになってる。ペンキをスプラッシュしたような床、グレーと黒で塗られたアトリエの中のような壁と什器。だけど確かに、いい匂いがする。笑顔のステキな店長さんが今日から変わる季節のタルトを看板に書き込んでいる。8種類の通年メニューに加え、2ヶ月ごとに変わる季節のタルトは味覚も視覚も満たしてくれそうだ。キッチンでは、焼きあがったタルト1つ1つ丁寧に、フルーツやナッツ、ソースやパウダーでお化粧が始まっている。今日はどんな顔で登場していくのかな。
パウダーでお化粧中です。
タルトといえば、クッキー生地に、カスタードクリームや生クリームがひかれ、あふれんばかりの果物がのっているのが最近の定番。ケーキよりもちょっと大きいものや、ちょっと価格も高かったり。○△□のタルトは、ちょっとちがう。お持ち帰り用として誕生したこのお店のタルトは、まず、高さ制限がある。スタイリッシュな箱にシュッと入れるには、見た目のステキさとおいしさを保ちつつ、いかに、制限されたサイズに納められるかが最大の難関課題。この最大の課題を解き、ベース+素材+色、すべての調和が合うように作られたタルトは、数学的な計算と、豊かな感性から生み出されるものだろう。
上:こちらもチョコレートでお化粧中。
下:男性デザイナーによる店内は、甘い香りの異空間。
○△□のコンセプトは、持ち帰りやすく、もらった側も、わたす側もたのしくなるもの。そして生まれたのが「タルト専門店○△□」。○はホールタルト、△はカットタルト、そして□はパッケージを表現しているそう。男性ひとりでも気軽に入れる店構えをしていることもあり、40・50代の男性サラリーマンも手土産用に何十個も買っていくそうだ。”ひとの幸せをつくる仕事”としてパティシエを選んだ店長さんの願いは、”大阪にきたらここにも来たい!”と思ってもらえるようなお店。今後は関西の催事だけでなく、他の地域のひとにも届けていきたいそう。制限された高さの中につめこまれたあま〜いタルトはいつでもスタイリッシュに持ち帰れますよ。
上:ちょいちょいチェックしたくなる看板のメニュー!
下:個性的なパッケージは、店舗とおそろい。
晴れた日に、ここでタルトを食べたら、きもちいなー
フレッシュフルーツタルト、キャラメルバナナタルト、タルト オ ショコラ、ベイクドラチーズタルト 全て1カット 460円、1ホール(8カット) 3500円
取材・文・写真/荒川純子