ジュース屋さんは朝が早い
きったり、むいたり、しぼったり
みなさんは、週にどれくらいの果物を口にしているだろうか?バナナや林檎などは身近だが、一度にいろんな種類を楽しむことは難しいのでは?ましてやカラフルなフルーツポンチなんてものは夢のまた夢。それはいつになっても色褪せることのない、キラキラまばゆい存在。そんな、ちょっと特別な気分にさせてくれるフルーツ達をありとあらゆる方向から提供してくれるフルーツパーラーが谷六にある。
100年以上続く果物屋の息子が始めたこのお店のフルーツポンチゼリーは開店当初からの人気者。実はこの商品にはちょっとした逸話がある。まだ店長が小学生の時、お手伝いにきた同級生が「フルーツポンチはないの?」と問いかけてきた。それをずっと心に留めていて実現させたのがこのフルーツポンチゼリーなのだが、きっかけをくれた彼とはなんと現在、共に店の運営をする仲。幼少期を共にした二人だからこそ、子供心を忘れないおいしいものの開発に日夜明け暮れることが出来たのかもしれない。
果汁が体内を巡っていると言っても過言ではない、DNAレベルで果物好きな店主とアイディアマンの幼馴染、そしてこれまた果物大好きなスタッフ達の店には、ジューシーな果実に負けず劣らずな果物への惜しみない愛がじゅわっと溢れんばかりである。
ぷるんぷるんのフルーツポンチゼリー
スタッフは仕事の一環として勉強会を開いたり、自主的に豆知識ならぬ果物知識のPOPを作り始めたり、お客さんを交えて林檎食べ比べ会を企画したりと果物の魅力の伝道に余念がない。「ワガママにも応えよう」の方針のもと、真冬にスイカを届けたこともあるし、とにかく果物のことは何でもお任せあれ。これだけ果物の個性を感じさせてくれるお店なのだから、ぜひ彼らの“個人的な”おススメを聞いて買い物をしてみたいと思う。
そんな果物を知り尽くした店がイートインで提供するのは季節ごとに変わるかき氷や具材とフレッシュソースにするフルーツをそれぞれ選べるフレンチトースト、果実をまるごと使ったフルーツティーなどで何回足を運べばいいのか分からないほど、色とりどり。テーブルを囲む笑顔が途絶えないのも納得だ。
上:カットフルーツも豊富。気軽にいろんな果物を摂れるので嬉しい限り。
下:絵に描いたようなフルーツかごと、フムフムな豆知識。
「季節で美味しい果物は違うから」と始めたかき氷は冬でも食べられることが当初珍しかった。冬季限定メニューで最注目なのは石焼芋かき氷。これがまた、氷とお芋さんが相思相愛で絶品なのだ。
この夏にはココナッツの実をまるごと使ったかき氷が登場。ココナッツミルクがたっぷりかかった氷にローストココナッツの絶妙なアクセントが加わり、クリーミーな甘さも濃厚な香ばしさも全て味わえ、一気にココ夏気分!波打ち際のウクレレの音が聞こえてきそうだ。「基本は遊び心から」開発されるメニューたち。今後もどんな実験結果がお披露目されるのかワクワクする。
ビタミン不足な人もそうでもない人も、フルーツワールドへようおこし。また1つ、カラフルで色褪せない思い出を。
上:カットフルーツとフレッシュなフルーツソースを選んで召し上がれ。
下:刃の角度からこだわったふわっふわの氷がやしの実にダイブ!
こんな南国の果実が運ばれてきたら、誰しも歓声をあげるのでは?
ココナッツカキ氷 950円 フルーツフレンチトースト 800円〜 フルーツポンチゼリー 340円 フルーツサンド 540円〜
取材・文・写真(一部山口果物提供)/後藤 真悠子